はじめに
第5章で述べた奥入瀬川水系ほどではないものの、砂土路川水系にも、洞内堰、大沢田堰、立崎堰、大浦堰(いずれも仮称)などの用水路が整備されています。
第5章で述べた奥入瀬川水系ほどではないものの、砂土路川水系にも、洞内堰、大沢田堰、立崎堰、大浦堰(いずれも仮称)などの用水路が整備されています。
洞内堰(仮称)は、豊良川の水を洞内芦沢の頭首工(写真6-1-1)から取水し、七戸町沼ノ沢、洞内下豊良、七戸町荒屋、洞内北ノ平(写真6-1-2)を経由して、大沢田池ノ平に至る用水路です。洞内五十貫田(こぬきた)も受益地になっています。
豊良川は第3章十和田市を流れる河川「5.砂土路川水系」で述べたように、七戸町唐松にある沼を源流とする小河川ですので、水量が多くありません。そこで田植え期には、熊ノ沢川の水を深持大切川原(おおきりかわら)の頭首工(写真6-1-3)から取水し、深持平ノ下(たいらのした)・大川原・如来堂を経由して、梅隧道(仮称)を抜け、舟沢で豊良川に流入させています(写真6-1-4)。つまり、洞内堰は豊良川の水というより、熊ノ沢川の水を利用しているといった方が良いかも知れません。この辺に十和田市の水利戦略の妙を見ることができます。大沢田堰(仮称)は、砂土路川の水を国道4号線洞内橋下流50m程に設置された頭首工(写真6-2-1)から取水し、馬洗場、大沢田を経由して東北町大浦に至る用水路です。その受益地は、馬洗場下町(写真6-2-2)、大沢田外前田(そとまえだ)・大洞(おおほら)・葉ノ木谷地(はのきやち)・長根(写真6-2-3)・佐ノ田(さのた)・早坂・大開(おおびらき)、並びに東北町大浦井尻(いじり)・下砂土路・榎谷地(えのきやち)など砂土路川左岸域です。
大沢田堰の水量を途中で補充するために、県道165号線立崎橋のすぐ下流の葉ノ木谷地に設置された新山頭首工(写真6-2-4)の砂土路川左岸からから取水し、長根で大沢田堰に合流させています。
樋口川は、洞内千刈田(せんがりた)の西端で県道169号線の下を横断します。立崎堰(仮称)は、その横断地点のすぐ上流から取水し(写真6-3-1)、砂土路川右岸域を流れます。受益地は洞内千刈田(写真6-3-2)、立崎小沼袋(こぬまぶくろ)(写真6-3-3)・押付(おしつけ)、並びに大沢田左ノ田(さのた)などです。